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正義とフレームワークと哲学と

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こんにちはMです。

なにやら難しそうなタイトルをつけましたが、最近読んだ『正義の教室』という本についての話になります。

 

この本は、主人公の男子高校生が3人の女子生徒といっしょに倫理学の授業を通して「正義」について考える、という、ストーリー仕立てで正義・倫理・哲学について学べる小説です。

表紙や設定がライトノベル風味ということで敬遠する方もいそうですが、展開や伏線などが巧みで“物語としての面白さ”と“難しいテーマをわかりやすく読ませること”が両立した秀逸な本だと思いました。

 

さて、今回話したかったのはこの本の中心テーマとなっている「正義を判断するための3つの基準」のことです。

 

(1)平等=正義:功利主義の考え方、物事の正しさを幸福の量によって決める。

(2)自由=正義:自由主義の考え方、自由が一番大事(他人の自由を侵害しない限り)。

(3)宗教=正義:直観主義の考え方、言葉では説明できない直観で正しいと感じる正義。

 

世の中ではニュースや出来事に対しての「良い/悪い」「正しい/正しくない」「アリ/ナシ」という議論が年中繰り返されています。

 

たとえば、コロナでお馴染になった「自粛警察」

自粛期間中に営業していた近所の居酒屋に「不謹慎」と貼り紙をして晒す自粛警察官の正義は、その居酒屋が営業することでコロナウイルス感染者が増えて地域住民全体が不幸になるという平等・功利主義の考え方に基づいています。

対して居酒屋の主人の側としては、「自粛すべきなのはわかるが、開けないと店が潰れてしまう。営業するのは個人の自由だろ。」と自由主義的な正しさを持っています。

 

以前はこういったニュースを見ても「どっちも正しいことを言ってるような気がするが、どちらがより正しいかとかわからん、、でも“人それぞれ”だけでまとめるのも違う気が、、モヤモヤする。。。」となってました。

それが、3つの基準によって「正義」というものの整理ができると、自粛警察と居酒屋の例のように、それぞれの正義・主義そのものが違うのだから、正しさの勝ち負けを決めること自体が難しい・・という問題の姿が見えてきました。

 

また、「これってビジネスで使うフレームワークみたいだな」とも思いました。
ビジネスのフレームワークは、たとえば自社の分析をするときは「SWOT(強み・弱み・機会・脅威)」、市場の姿を掴むときは「3C(自社・競合・顧客)」など、考えを整理するために用いられている便利なツールです。

そういうフレームワークが、ビジネスではない生活(ちょっと大げさに言うと「人生」)の中にも存在すると気づいたことが、もう一つの発見でした。

 

「哲学」というと“難しい”“実生活で役に立たない”というイメージが強いですが、今回学んだ正義の考え方は、生活の中で考えを整理するためのフレームワークとして重宝するのではと感じています。

他にもそんなフレームワークがあるとしたら、もう少し踏み込んで哲学の勉強をしてみるのも良いかもしれません。

 

今回はなんともまとまらない感じの文になりましたが…、
言いたかったことをあらためて挙げると、

■『正義の教室』が激しく面白くわかりやすくタメになった。
■「正義を判断するための3つの基準」を知って目から鱗、モヤモヤが晴れた。
フレームワークとして哲学をもっと知ってみたくなった。

というところです。

少しでも興味持たれた方は、本の方ぜひご一読くださいませ。

 

正義の教室

正義の教室

  • 作者:飲茶
  • 発売日: 2019/06/20
  • メディア: Kindle