1時間ドラマのオレユニ風ポジショングマップ
こんにちは、オレンジ色のユニフォームです。
若い頃は自由になる時間が少なくて、テレビドラマをみる余裕がありませんでした。
いまは、それなりに、自由になる時間ができてきたため、リアルタイムでドラマを視聴できるようになりました。昔のドラマも動画配信サービスを使って、視聴しています。
なかなか、オモシロいドラマが多いことにカンゲキしています。
さて、ドラマをみていると、そのドラマの特徴というか、色というか、まぁ、どのように作られたのか、が気になってきました。
そこで、自分が視聴した2020年7-9月のドラマ3作品について、勝手ながら分析をしてみました。
そして次に、その分析をもとに、ドラマのポジショニングマップを4象限で整理してみました。
まずは分析です。観点は次の通りとしました。
・ドラマの属性
・視聴者の開拓について
・ドラマの作り手の気概
・ドラマの構成
・ドラマのあじつけ
・結果、視聴者が得られること
※「MIU404」と「ディア・ペイシェント」は、同曜日同時間帯のモロかぶりだったので、視聴には、NHKプラスに大変お世話になりました。とてもイイ時代になりましたね。
■新規視聴者の引き込み方が秀逸な「MIU404」
・ドラマの属性
「全員初見者」
原作なし
オリジナル脚本
続編ではなく、初めてのシーズン
・視聴者の開拓について
「あらたな視聴者を取り込む必要あり」
当初は読み切り型で広く視聴者を集めていました
これにより、
途中離脱者も再度引き戻しやすく、
途中参加者も参加しやすくしていました
そして、中盤からは、徐々にストーリー型にシフトしていき、
物語を動かし始めました
そして、“最後は続きが見たい”という渇望を視聴者に植え付けるに至りました。
これは、脚本の狙い通りだったのではないでしょうか
・ドラマの作り手の気概
「ジワジワと余裕が増してきた現場」
実績がない初めての作品なので、作り手に余裕はなかったはず
しかし、視聴率がジワジワあがってくるとともに、徐々に余裕も自由度も増してきたと思う
・ドラマの構成
「視聴者を引き込む共感手法」
一話完結型+続きも気になる
毎回カタルシスを味わえる
モヤモヤさせない
イヤな気持ちになっても、すぐそのあとでお約束通り解決してくれる
煽り運転や若年層のドラッグといった社会問題も扱っていたけれど、それを前面に押し出さず、あくまでも作品の味つけの一つにとどめておいていた
前面に押し出してきたのは、
“友情・努力・勝利”
まるでジャンプの三原則が揃ったようなものでした
あと、
「うわっ、いいな」
「可哀想だなぁ」
「そうそう、そう思う」
「わかるわかる、その気持ち」
という共感を引き出していました
・ドラマのあじつけ
他ドラマとのコラボ
メロンパン号
とにかく走る
うどん
・結果、視聴者が得られること
共感と共鳴
■商業的な成功よりも訴えたいことを前面に押しだしていた「ディア・ペイシェント」
・ドラマの属性
原作はマンガ
しかし、多くの人が知らないマイナーな作品
・視聴者の開拓について
「NHKなので、視聴率最優先ではない」
毎回、視聴するたびに、なんともイヤな感じが募りました。
このため、途中でやめてしまった人も少なくないんじゃないかと思います。
(途中で席を立ちにくい)映画ならいいんですが、(途中で離脱しやすい)ドラマの作り方として、一考の余地があると思いました。
同じころに観た「シンドラーのリスト」は目を覆いたくなるようなシーンが連続していましたが、映画だったため、途中で離脱するのはガマンしました。
・ドラマの作り手の気概
視聴率至上主義じゃないので、視聴率を気にせずやりたいことをやれたと思います
ただ、一方で、NHKだけに、「堅く」「おふざけすぎない」という制約はあったと思います。
・ドラマの構成
一話完結、
で、ありながら続きも気になる構成でした。
しかし、毎回その回ではカタルシスを味わえず、モヤモヤすることが多くありました
また、イヤな気持ちになることもありました
痴ほう、介護、医療訴訟、患者さまファースト、病院経営
といった社会問題について、訴えかけ、視聴者に考えてもらう、という作風でした
エンターテイメントとはほっといて、訴えたいことを前面に押し出した感じがします
ようやく最終話で、すべてがスカっとできました
・ドラマのあじつけ
悪役を悪役らしく上手に描いていました
意地悪い事務長と気持ち悪い黄色い眼鏡の男(田中哲司)はムチャクチャ腹が立ちました
・結果、視聴者が得られること
社会問題の認識と自省
■安心感と爽快感の「半沢直樹」
・ドラマの属性
原作あり小説
シーズン2のドラマ
前作は視聴率40%越え
著者の他ドラマも大当たり連発
・視聴者の開拓について
あらたな視聴者を取り込む必要はない
欲を言えば若者を取り込みたいかも
・ドラマの作り手の気概
ハンドルのあそびがある
余裕しゃくしゃく
思い切りやりたいことができるが、一方で、視聴者の期待を裏切られない、という制約がある
まさに、紅白の大トリにでてくる北島サブローみたいな感じでしょうか(ふるっ)
・ドラマの構成
一話完結
でありながら続きも気になる
毎回必ずカタルシスを味わえる
モヤモヤさせない
イヤな気持ちになっても、すぐそのあとでお約束通り解決してくれる
・ドラマのあじつけ
顔芸
アドリブ
バズワード連発
大和田常務自らSNS活用で番組以外でも盛り上げている
誰が味方なのか
敵なのか
先が読めない展開
だけど、あえて気づきそうなフリがあり、
ピンとくる視聴者には気づかせる妙手を使っている
・結果、視聴者が得られること
感謝と恩返し
じゃなくてww
安心感と爽快感
■ドラマの分析結果を4象限で整理すると
これまでの分析結果をもとに、4象限に整理してみました。
縦軸を「視聴者を引き込むニーズの強さ」とし、
横軸を「作り手の自由度の大きさ」としてみました
上図の通り、複数のドラマ領域に分かれることがわかります。
新作ドラマはキングドラマ領域に移れるように頑張っていきます。
他のドラマについても分析してみるとオモシロイかもです
あなただったら、どの領域に整理しますか。
それとも、別の新しい領域をつくりますか。
ザテレビジョン ドラマアカデミー賞受賞のドラマ(2018-2020):
「テセウスの船」「恋はつづくよどこまでも」「きのう何食べた?」「わたし、定時で帰ります。」「3年A組―今から皆さんは、人質です―」「今日から俺は!」「大恋愛~僕を忘れる君と」「義母と娘のブルース」「おっさんずラブ」「コンフィデンスマンJP」「アンナチュラル」
(了)