「スルドい人」と「ニブい人」
「スルドい人」と「ニブい人」の要因
職場にポカミスが多い社員がいました
ありえないほどのポカミスをしてしまいます
なんでこのレベルのミスを防げなかったのか、と思ってしまうことがたびたびありました
・年が間違っている
・元号が平成のままで変わっていない
・金額が間違っている
・違う資料を添付してしまっている
そんな時、ボクも人間ですから、イライラしてしまったりしました
(人間ができていなくて恥ずかしいかぎりです)
一方で、パっとみただけで、いろいろなことが気づいてしまう人もいました
まさに、資料を一瞥しただけで、おかしなところに気づいてしまうのです
「この書類の日付は間違っていますよ」
「担当者名は変更しなくていいんですか。たしか前任者は先月異動していて、新しい担当者に替わっていましたよね」
とっても信頼できて、安心して仕事を任せることができます
さて、両者の違いはなんでしょうか
ポカミスを連発する人は、どうやったら、気づける人になれるのでしょうか
そんなことを昔から考えていました
自分なりの答えとしては、「誤謬にたいしての感知度のスルドさ」の大きさによって、両者の違いがあるのではないかと考えました
「誤謬にたいしての感知度のスルドさ」とは、たとえば、資料を一目見ただけで、その資料が“なにかおかしいゾ”と感じられる能力のことです
この能力の人は、特に注意することなく、自然体で誤謬に気づいしまうのです
しかも、努力することなくです
この能力は、後天的な能力というよりも、先天的なものだと思います
(反復訓練等により、ある程度は後天的に習得できる能力かもしれません)
誤謬にたいしての感知度がスルドい人を「スルドい人」
誤謬にたいしての感知度がスルドくない人を「ニブい人」
と整理して後段の論を進めます
はたして「スルドい人」は幸せなのか?
「スルドい人」=「よく気づくね」=「スゴイよ」=「たいしたもんだ」
「ニブい人」=「なんで気がつかないんだ」=「ダメじゃないか」=「もっとちゃんとしてくれよ」
となった場合、なんとなく「スルドい人」の方が幸せなような気がします
では、「スルドい人」は本当に幸せなのでしょうか?
ボクの答えは必ずしもYESではない、というものです
なぜならば、ボクの周りにいる「スルドい人」をみていると、決して、そうではない人も散見されるからです
「スルドい人」は、普通の人なら気づくはずないものまで、(自分の意志に関係なく、)勝手に気づいてしまい、
「見なきゃよかった」
「知らなきゃよかった」
ということまで、気づいてしまうのです
その結果、誤謬は発見できても、
「なにやってんだアイツらは」
「ちゃんとチェックしろよ」
と、心は平穏を保てず、常にイライラしていて、他者とうまく人間関係を気づけていない人がいました(全員がそうではありません)
このため、「スルドい人」の全員が幸せだ、とは言い切れないのです
では「ニブい人」は幸せなのか
だからと言って、「ニブい人」が幸せなのかというと、これも必ずしもそうとは言い切れません
「ニブい人」もミスをしてしまうと、それなりにココロを痛めているものです
「なんて自分はダメなヤツなんだろう」
「また同じミスをしてしまった」
「こんな価値のない人間は消え去ったほうがいいんじゃないか」
「ニブい人」が幸せになるためにはどうすればいいのか
1つのミスに対して、なんで気づけなかったんだろうか、と必要以上に自分を責めしてしまうと、ココロの病気になってしまう恐れがあります
そうなると幸せにはなりません
「ニブい人」が幸せになるためには、ココロの向き合い方と仕事との向き合い方を変える必要があります
■ココロの向き合い方
・自分がニブイことを自覚する
・でも、人間の力には限界があることを理解する
・自分が「スルドい人」になるように努力することはあきらめる
→時間がかかりすぎたり、そもそも「スルドい人」になれなかったり、と無駄な努力になる恐れがあるため
■仕事との向き合い方
・人間の力を補助してくれる仕掛けを活用する
→ツールとかの力を活用する ※こちらについての具体例は別記事で紹介したいと思います
おわりに(オチあり)
職場でポカミスをして落ち込んでいる女性社員と話をしている時、
なぐさめるつもりで、上記のような話をしました
「スルドすぎても決して幸せじゃないんだよ」
「誤謬に気づかないからこそ、幸せなこともあるんだよ」
女性社員はウンウンとうなずいていました
ボクは話が通じたことに喜び、次の話を付け加えました
「異性関係でも同じだよ。パートナーの動きがおかしい、などと気づきすぎると、心が平穏じゃなくなって、常に心配や不安やイライラしちゃうもんだからね」
「スルドくないほうが幸せなこともあるんだよ」
とフォローしたところ、
その女性社員は、ボクに次の言葉を返しました
「実はわたし、そっちのほうはスルドいんです」
了