「自転車が趣味」の長い話(後編)
こんにちは、Mです。
自転車趣味の話もタイトル通りここまで長くなってしまいましたが、今回がラストですのでどうかお付き合いください。
※前編・中編はこちらから。
「見る」自転車については、プロ野球や大相撲のような競技の観戦、それと自転車をテーマとしたエンタテインメントの鑑賞があります。
1.TVで自転車観戦
自転車に興味のない人でも「ツール・ド・フランス」という名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。
オリンピック、サッカーワールドカップと並んで『世界三大スポーツイベント』とも呼ばれ、世界中の自転車ロードレース選手の頂点を決める一大イベントです。
自転車競技のTV観戦といえば、このツール・ド・フランスのような国際的なロードレース大会の中継を観ることを指しています。
※マウンテンバイクやBMXなど他の競技も行われていますが、視聴できる機会としてはロードレースが圧倒的に多くなっています。
ロードレース競技では、4~8人で構成された複数のチームが集まり、100~200kmの長距離をトップでゴールすることを目指して走ります。
ゴール前など勝負を分けるデッドヒートが見所なのはもちろんですが、コースの特徴・各チームの戦略・選手の動き等からレース展開を予想することや、プロ選手の卓越した走り方を観察すること、沿道の美しい景色など、観戦の魅力は沢山あります。
特にレースの見方・ポイントをいくつか覚えると、面白さが格段に増しますので、ぜひこちらの解説もご覧になってください。
さて、そんなロードレースですが、残念ながらTVの地上波ではほとんど放映されていません。
スポーツ専門の有料放送チャンネルの「J SPORTS」の、ケーブルテレビや衛星放送、またはインターネット放送で観ることができます。
おススメはインターネット放送の「J SPORTSオンデマンド」で、LIVE放送に加え過去のレースのオンデマンド配信が視聴可能で、「Fire TV Stick」等を使いTVに繋げると大画面で楽しむことができます。
視聴料金も、自転車競技だけを見るなら衛生放送・ケーブルテレビよりもお得な料金になっています。
なおツール・ド・フランスなど有名なレースは、一部無料放送をしてくれることもあるので、そういうタイミングでお試しで見るのがいいでしょう。
また、YouTube等の無料動画で、レースの雰囲気を味わうこともできます。
こちらの動画もカッコいいですね。
2.現地で自転車観戦
ロードレースの本場はヨーロッパですが、日本国内でも「Jプロツアー」「ジャパンサイクルリーグ」などプロ・実業団のレースが行われていて、それらは現地に行って生で観戦することができます。
生で見る観戦はやはり臨場感が凄く、目の前を猛烈なスピードで駆け抜ける迫力や、選手が通り過ぎる勢いで巻き起こる風も感じることができます。
中でも、宇都宮で毎年開催される「ジャパンカップ」と、さいたま新都心の「さいたまクリテリウム」では、ツール・ド・フランスでも活躍する海外選手が来日して走る貴重な機会で、私も憧れの選手のサインをもらいに、年甲斐もなく出待ちなどもしました(笑)
なお会場には、自転車グッズが買える展示会場やイベントステージ、飲食店の屋台なども併設されて、レース以外にも見所があるので、ふらっと足を運んでみても楽しめます。
※残念ながら両イベントとも、新型コロナウイルスの影響で昨年に続き今年も中止が決定しました。来年こそは晴れて開催されることを願っています!
ちなみに生で見れる自転車レースと言えばもうひとつ「競輪」があります。
こちらはロードレースよりも開催数が多く日本全国で観戦でき、「SPEEDチャンネル」という専門放送チャンネルもある程の一大ジャンルです。
さらに、日本人選手が五輪や世界選手権でメダルを獲得できる実力を持っている、世界に誇れる競技といえます。
ただし、競輪は公営ギャンブルという性質もあり、選手層やファン層がロードレースとは違う独特の世界ができていて、楽しみ方にも少々コツが要りそうです。
3.自転車エンタテインメント
自転車を「見る」趣味は、競技そのものだけでなくマンガや小説、映画など映像作品もあります。これらの中には自転車ファンでなくとも充分に面白い作品もありますし、見ることで競技観戦がより楽しめるようになります。
実はこのジャンルの作品はけっこう沢山あるのですが、個人的に好きなものをいくつか紹介します。
(1)自転車マンガ
自転車趣味の入口としてはマンガが一番入りやすいのではと思います。中でも断トツ有名なのは『弱虫ペダル』ですが、他にお勧めしたいものがあります。
『かもめチャンス』作:玉井雪雄 全20巻
信用金庫で働くシングルファーザーの主人公が、あるきっかけからロードバイクにのめり込んでいくお話。爽快かつコミカルな展開のなかで、人生や生き方を考えさせられる、働く大人に特に読んでもらいたい名作です。
※同作者の(ちょっとファンキーな)自転車エッセイマンガ『じこまん』も合わせてどうぞ。
『シャカリキ』作:曽田正人 全7巻
「坂バカ」高校生の野々村輝がロードレースでトップを目指すストーリーですが、主人公の天才性・狂気じみた熱量に引き込まれ、何度も一気読みをしてしまいます。
ちなみに作者は"天才を描かせたら右に出るものはいない"と言われる曽田正人さんです(代表作『め組の大吾』『昴』など)。
(2)自転車小説、雑誌
『サクリファイス』シリーズ 作:近藤史恵
プロロードレーサーの世界を舞台にした小説シリーズで、ロードレースの駆け引きや人間関係のドラマがミステリー要素とともに描かれてドキドキしながら読み進められます。
シリーズとして続編『エデン』『スティグマータ』や短編集『サヴァイヴ』があり、番外編的な位置付けの『キアズマ』は青春スポーツ小説として一冊目にお勧めの作品です。
『BiCYCLE CLUB(バイシクルクラブ)』『Cycle Sports(サイクルスポーツ)』
どちらもスポーツ自転車の雑誌で、乗り方のコツや各地のコースガイド、自転車やパーツの紹介、ファッション、自転車旅行ガイド、著名人・選手のコラムなどなど、様々な角度からの記事がありますので、試しに一冊買って眺めてみると、自分の興味の方向が見え、より深く知りたくなるかもしれません。
(3)自転車映画・映像作品
『疾風スプリンター』
自転車映画は有名選手やチームのドキュメンタリーが多いのですが、そんな中で珍しくド直球な青春スポ根ロードレーサーもののフィクション作品です。
台湾ロードレース界で活躍する三人の主人公の努力・友情・勝利、栄光と挫折が、迫力のレースシーンと、いい意味で昭和的ベタな人間ドラマとマッチして存分に楽しめます。リアリティの部分では突っ込みどころ満載な話でもあるのですが、自転車の魅力と情熱があふれたエンタテイメント映画です。
shippu-sprinter.espace-sarou.com
『チャリダー 快汗!サイクルクリニック』
これは映像作品というかNHK BSのバラエティ番組で、出演者たちがさまざまなジャンルの自転車の楽しみ方に挑戦しています。
ゆるめのバラエティかと思いきや、トップ選手や最前線で活躍している専門家が出たり、意外な有名タレントが自転車ファンとして出演したりもするので、初心者からマニアックな人まで広く楽しめる番組です。
実はまだまだ出したいものはありますが挙げるとキリがないので、いいかげんこの辺で区切りにします。
※ちょうど昨日閉会式を迎えた、東京オリンピックの自転車競技の話もするなら、もうあと数回続けることもできそうです。
長くにわたってお送りしましたが、自転車趣味の世界の幅広さと深さを少しでもイメージしていただけていたら有難いです。
どこかひとつでも興味を持ったものがあれば、ぜひ一度試してみてください!