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孤独のグルメの楽しみ方①

百貨店出身の中小企業診断士madmaxです。

2021年7月18日にこのMoreブログで「孤独のグルメの魅力」という記事を書きました。

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シーズン9(全12話)もすでに終了し、あとは年末特番を待つばかりという状況です。

以前にも書きましたが、私は「孤独のグルメ」のシーズン1~シーズン8の全話を5回から6回視聴しています。

シーズン9も録画+見逃し配信を視聴しつつ、すべてを観終わりました。録画したものはすでに2回目の視聴に入っています。

最近は、ただ観ているだけではもったいないと思ったので、自分がどんな視点で楽しんでいるのかを少しずつ分析し、シリーズでご紹介したいと思います。

今回ご紹介する楽しみ方は2つです。

1つは「ストーリー構成パターンの違いを楽しむ」もう1つは「伏線回収の仕方を楽しむ」です。

1)ストーリー構成パターンの違いを楽しむ

孤独のグルメ」のストーリーは主に以下のパーツに分かれます。

①仕事部 ②店探索部 ③食事部 ④エンディング部 ⑤原作者さんのお店訪問部

①の仕事部は、井之頭五郎氏が営む輸入雑貨商としての仕事でお客様のところへ商談に行ったり、ご購入いただいた商品をお届けに行ったり、クレームに対応したりする様子を描いたパーツです。訪問する先のお客様役には有名な俳優さんもいれば、あまり存じ上げない俳優さんなどが登場し、笑いあり涙ありのストーリーが展開されます。

②の店探索部は、上記①の仕事部が終了もしくは終了直前に五郎氏の「腹が・・・減った~」という心の声が発せられるのをきっかけに店探査が始まります。仕事部の影響を受けて決め打ちで食べたい料理が決まるパターン(焼き肉など)、お腹がすきすぎて何でもいいからうまそうな店に飛び込むパターンなどがあります。

③の食事部は、お店に入ってメニューを精査するところから始めます。五郎さんなりのポリシーがあって、数あるメニューの中から、メインとなる料理を決めて、それに合ったサイドメニューを追加していきます。他の方が食べている料理を見て、それも追加発注するパターンもあります。

④のエンディング部は、お腹いっぱいになった五郎さんが店を出て、帰路に就く後ろ姿が流れます。この時につぶやく一言が結構重要だったりします。

⑤の原作者お店訪問部は、原作者の久住 昌之氏が実際にお店を訪問して、自分が気に入ったメニューを注文、お店の方々と会話をしながら食事をして感想を述べます。コロナ前は下戸設定の五郎さんに代わって、お酒やビールを飲みますが、決して「お酒」「ビール」とは言わずに「水道水」とか「麦ジュース」という別名に置き換えて発注します。

これらのパーツは、ほぼ、①、②、③、④、⑤の順番に流れていきますが、まれに、このパーツの編成が入れ替わったり、下記のような変則パーツが入る場合があります。

①喫茶部 ②仕事部 ③お店探索部 ④食事部 ⑤エンディング部 ⑥原作者さんのお店訪問部

①の喫茶部がイレギュラーパーツとなりますが、これは②の仕事部に行く前に、小腹が空いたので喫茶店や甘味処、和菓子屋さんに五郎さんが立ち寄るという内容です。

さらに、下記のようなパターンになる場合もあります。

①仕事部 ②お店探索 ③食事部 ④仕事部 ⑤喫茶店探索 ⑤エンディング部 ⑥原作者さんのお店訪問部

このように、毎回、どのパターンで来ているのかを特定するのも1つの楽しみ方となります。

2)伏線回収の仕方を楽しむ

孤独のグルメ」は、上記のシナリオを構成するあるパーツで伏線(※)が貼られ、どこかのパーツでその伏線が回収されるケースが多くみられます。

※伏線は、物語や作劇上の技術のひとつで、物語上において未来に起こる重要な出来事を、些細なかたちで前もって暗示しておく手法である。読者や聴衆の失望を回避するため、あるいは感興を引き起こすために用いられる。時には登場人物によるはっきりした予言といった形をとることもある。【ウィキペディアより】

例えば、以下のような伏線回収がありました。

①その回ストーリー内で伏線回収が図られるケース

冒頭の仕事部で客先へ向かう前に車の中で一眠りしている際の夢の中で、ウエスタン映画のようなシーンで五郎さんがステーキ屋のシェフに散弾銃で撃たれてしまうのですが、仕事を終えた後に本能のままにお店を探していたら、ウエスタン風なステーキハウスに入ってしまう

このほかにも、その回のどこかのパーツで登場人物がつぶやいた言葉が五郎さんのお店決定に影響を与えたり、仕事部でトラブルとなった相手がエンディング部で違った一面を見せたことで五郎さんの考え方に示唆を与えたりするなどがあります。

②回をまたいで伏線回収を行うケース

各シーズンの第12話(最終話)に多く使われますが、通常、各シーズンの最終話は年末特番につながるようなシナリオ設定になります。例えば、仕事部で後輩から年末、マドリッドへ行ってほしいと依頼され、結果的には年末特番でマドリッドから帰ってきて福岡で仕事するなどです。

シーズン9では逆伏線を貼っているケースが出てきています。コロナで苦しみながらも頑張っている過去に登場したお店がシーズン9で登場したり、お店の中ですれ違った際に「あれ?どこかで会ったことあるかな?」と五郎さんが思った方が、過去のシーズンに登場していた芸人さん役の俳優さんだったりします。

伏線の見つけ方としては、ストーリの中で、違和感があるシーンが出てきた場合は要注意です。

例えば、仕事部で五郎さんが訪問した客先で、訪問相手の方の職場の上司(女性)がやたら怒っているシーンがあるのですが、仕事部では回収されないまま五郎さんは客先を辞去します。もやもやしていたら、五郎さんが別の仕事部で新しい事務所候補の物件を見ているときに、そのやたら怒っている女性上司が五郎さんの秘書役で出てくる、といったような具合です。

シーズン9も最終話で年末特番につながる伏線が貼られているのですが、今回はいつものようにあからさまではなく、巧妙に隠されています。ですが私は年末特番の舞台となる場所を特定することができています。

このように、基本的には伏線を貼って、回収するという構造になっていますので、そういった視点でドラマを観ていただくと楽しめると思います。

 

映画監督のイラスト

 

 

さて、いかがでしたでしょうか?

今後も「孤独のグルメの楽しみ方」はシリーズ化して、主観的に語り倒そうと思っておりますのでお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。