住宅購入のお話(エリアの続き~候補駅比較表~の巻)
こんにちは、Mです。本年もよろしくお願いいたします。
住宅購入のお話、前回は住みたいエリアの選び方と下見方法についてでしたが、今回はそこで調べた情報を、駅ごとの比較表にまとめます。
比較表では以下のような分類を使って、情報をまとめていきます。
1.地理情報
2.交通利便性
3.安全性
4.住みやすさ
5.職場/親族等アクセス
6.その他
詳しく見ていきましょう。
1.地理情報
①路線名
②駅名
③市区町村
比較表は、候補となるエリアを通る鉄道路線の駅をリストアップした形で作ります。
路線は候補の駅から主に通勤通学に使うものを選びますが、複数ある場合は路線も複数で作成するのがいいでしょう。
地理情報は、「①路線名」、「②駅名」に加え、駅周辺地域の「③市区町村」も記載してください。
住む市区町村によって、税金や生活支援政策などが異なるため、これも大事な検討材料となります。
(「絶対に港区に住みたい!」といったこだわり等がある人も、中にはいますし)
〔記入例〕
・路線名 :JR中央線、東京メトロ丸の内線、東急田園都市線
・駅名 :東京、神田、御茶ノ水、水道橋
・市区町村:(四ツ谷駅の場合)千代田区/新宿区
2.交通利便性
①路線数
②路線名
③快速・急行電車の停車有無
次は駅の交通アクセスの便利さです。
「①路線数」が多い駅はそれだけ多くの場所へ行きやすく、人気があります。
通っている「②路線名」が、メジャー路線かマイナーな支線かも重要です。
「③快速・急行電車の停車有無」は移動時間に影響します。
仮に都心から距離的に遠い駅でも、快速があるなら実際の移動時間は短いというメリットなどがあります。
また、これら3点が多い(ある)駅は、人も集まりやすく比較的栄えている大きな街であることが多いです。
〔記入例〕
・路線数 :横浜(14)、武蔵小杉(8)
・路線名 :武蔵小杉=目黒、東横、南部、成田EX、横須賀、湘南新宿、相鉄、踊り子
・快速・急行電車の停車有無 :有(●●線)/なし
3.安全性
地震や台風、洪水など、もしもの時に安全なエリアかどうかも確認しておきたい情報です。
「①ハザードマップ」では、津波/洪水/高潮などの際にどの程度の高さまで浸水深が上がる可能性があるかを、地域ごとに確認します。
国土交通省が公開している以下のサイトで、各駅前のデータを調べて「津波0.5-1m,洪水0.5m未満」のように記載しましょう。
「②液状化危険度」は、地震等の際に地盤が緩んで、家の傾きや水道・ガス管の損傷が起きやすい地域かどうかの確認です。
こちらも自治体ごとに公開している情報がありますので、調べたうえでリスク「高」「中」「低」など書き入れます。
【東京の液状化予測図】
また、災害への安全性の他に「③治安のよさ」「④総犯罪率」も気になるところ。
以下のサイトの各駅のページでは、警視庁公表の犯罪件数データや各自治体の人口データから「総犯罪率」「治安の良さ」を格付けしていますので、ここの情報を参考にしました。
〔記入例〕
・ハザードマップ:蒲田駅…高潮0.3m未満,洪水0.5-3m
・液状化危険度 :大井町…低
・治安のよさ :亀戸駅…星3つ(5つ中)
・総犯罪率 :亀戸駅…0.06%
4.住みやすさ
①賑わい
②コメント
上記1~3までは誰にとっても同じ客観的な情報でしたが、ここではあなたの主観・印象から街を評価します。
「①賑わい」は、各駅周辺の商店や各種施設などの充実度合いを「S、A~E」でランク分けします。
賑わいは「何のお店が何軒」といった厳密なデータを集めるまでは必要なく、あくまで主観でざっくりと決めてしまって構いません。
参考までに、都心エリアについて私がランク付けした例です。
[S]複数路線が行きかうターミナル駅 :新宿、横浜、二子玉川
[A]多くの大型商店・施設がある駅 :自由が丘、大井町、戸越銀座
[B]お店が比較的充実している駅 :目黒、荏原中延、武蔵新城
[C]日常生活の買い物がこと足りる駅 :不動前、戸越公園、雪が谷大塚
[D]商店が少なく限られている駅 :田園調布、千鳥町、妙蓮寺
[E]店舗施設がほとんどない駅 :多摩川、馬込
「②コメント」には、各駅前を実際に下見してきた際の印象を書いたコメントを記載しておきます。これも、気が付いたことをメモする程度で構いません。
〔記入例〕
・二子玉川駅(東急田園都市線)
…デパート&ショッピングモールだけでなく昔からの店もあるファミリーセレブタウン
・沼部駅(東急多摩川線)
…ぱらぱらとコンビニや飲食店がある程度。
5.職場/実家等アクセス
①乗車時間
②到着駅
③乗換回数
④乗換駅
⑤乗換時間
⑥終電時刻
⑦距離(km)
⑧自転車時間
⑨自動車時間
職場や実家といった、重要な場所の最寄り駅までの所要時間や距離をまとめます。
調べる方法は「Yahoo!路線情報」等で一駅ずつ地道にやりましょう。
「①乗車時間」は複数の路線が使える場合はその中で(乗換時間も含めて)一番早いものを入れます。
②~⑤も同様です。
ただ、乗車時間が一番短いルートでも、乗換回数が多かったり、乗換で歩く距離がとても長かったりする場合もありますので、それも踏まえて現実的に一番早くて便利なルートを選びます。
「⑥終電時刻」は、最寄り駅でなくても一番遅い時間で帰宅できる路線を選びます。
⑦~⑨は、車や自転車で移動することを想定したものです。家族で帰省する際や、実家から子育てのお手伝いに来てもらう場合に、車移動での距離もわかっておいた方がいいでしょう。
6.その他
(例として)
①保活の難度
*保活=子どもを保育園に入れるため保護者が行う活動
②街の将来性
その他、自分にとって必要な情報や、より詳しく調べておきたい情報などを追加します。
「①保活の難度」は、子育て世帯にとっては欲しい情報ですが、下記のような駅ごとの「保育園・こども園の空き状況」をまとめたサイトがあります。
子どもの年齢ごとに、保育施設の空き状況が「●:空きあり、▲:空き僅か、×:空きなし」で表示してくれていますので、これを比較表に転記します。
【保育園・こども園の空き状況(路線別)】
「②街の将来性」は、長く住むつもりであれば念のため押さえておきたい情報です。
記載方法は自由ですが、駅の乗降客数や市区町村の人口についての統計資料などから、今後の人口が伸びそうか、横ばいか、などを調べて記載します。
以上のようにまとめていくと、このような表ができあがります。
完成した比較表は、住む候補のエリア・駅をあらためて考えるための参考にしたり、物件情報が出てきた時に見返すなどで使います。
いろいろな情報を調べてまとめるのは手間ではありますが、項目に沿って調べていく時に新しい情報に気がつくことがありますし、大事な情報の見落としを防ぐチェックリストの効果もあります。
不動産という大きな買い物ですので、エイヤ!と気合いを入れてぜひ作ってみてください。