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熨斗紙(のしがみ)ってなんだ?

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熨斗紙(蝶結び)

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熨斗紙(結びきり)


はじめまして。小売業出身の駆け出し中小企業診断士、madmaxと申します。僭越ながら、今月よりMoreブログに投稿させていただけることになりました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

さて、今日は日本の各種贈答品に貼られている、上記のような熨斗紙(「のしがみ」と読みます)についてお話できればと思います。儀礼廃止の昨今、オンライン上でパーソナルギフトを差し上げることも多くなり、段々と日本古来の贈答品の知識が風化しつつあるのだろうなぁと思いますので、若い方々の実生活には無関係かと存じますが、敢えて、ここでアーカイブ的にお伝えし、飲み会のネタにでもしていただければ幸甚です。

まず、熨斗紙の構造についてお話しますね。上記の画像を見ると、赤と白のひもがありますね。これを「水引」といいます。そして、水引の右上に黄色い何かを包む絵があります。これを「のし」といいます。昔は水引も「のし」も現物で贈答品に添えられていました。つまり、箱の上に和紙を乗せ、それを水引で結び「のし」を添えました。

ここで「のし」って何だろう?という疑問が浮かびますね。実は「のし」は「のしアワビ」の略です。めでたいものは神様に生ものを捧げるというしきたりを乾物の「のしアワビ」で代替えしたと言われています。

ちなみに、下図のような、弔事(不幸な出来事)における用紙は通称「掛け紙」と言います。水引は関東では白とグレー(薄墨)・黒、関西では白と黄色になります。慶事(おめでたいこと)の熨斗紙と異なり「のしアワビ」がついていませんよね。その理由は、弔事では生ものはタブーとされているからです。

なお、関東では黒の水引よりも薄墨(グレー)の方がランクが高いと思われています。

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仏事



さらに、水引の結び方に注目すると、蝶結びと堅結びがある点に気づきます。蝶結びは下の部分を引っ張れば、結び目が解けて一本の紐になります。つまり、何度あってもよい出来事(お祝い、御礼、出産内祝いなど)の場合に使われます。

一方、堅結びは一回結んだらほどきにくいということから、慶事・弔事共に、2回以上発生しない方が望ましい出来事に使われます。例えば、結婚のお祝いで使う「寿」は2回以上あるとまずい・・・ですよね。快気祝いも病気の快復お祝いですから、2回以上ない方がよい、ので堅結びのむずび方になります。弔事はすべての事柄が2回以上発生しない方が良いので、すべて堅結びになっています。(画像検索したら、蝶結びの寿があってびっくりしました)

最後に、水引の本数に違いあることをお伝えしたいと思います。ほとんどの慶事・弔事では水引の本数は5本です。しかし、例外があります。

最も代表的なのは結婚のお祝いでよく見かける「寿」です。

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寿

一生に一度のお祝いということで、めでたさ倍増で水引の本数は通常5本のところ、10本が通例になります。「別れない」ということで、割り切れる偶数は避け、奇数(3、5、7)であればよいとされますが、5×2=10とするケースが多いようです。

ちなみに、結婚祝いのお返しを贈るときは「結婚内祝い」の熨斗紙を貼ってお返しします。この際も、水引は10本堅結びが基本となります。

なお、お祝いのお返しのことを「内祝い」と言いますが、結婚内祝い以外は、5本蝶結びとなることを覚えておきましょう。

それではまた!