Moreブログ 

ノウハウ・知識、笑い・癒しの提供により社会貢献をめざします

部分最適と全体最適とNさんの叫び声

f:id:moreblog:20180519002329j:plain

 

「こんな非効率なことやってられないわ!信じれられない!!」

向かいに座る先輩社員Nさんのシャウトがオフィスに響きました・・。
職場で勤怠管理のシステムが導入された時のことです。

 

ワタクシMの会社では、以前は出退勤や残業の記録を紙に書いて提出していたのですが、ある時システムが導入されてパソコン上で入力をするようになりました。
ただ、システムの画面がいまいちわかりづらく、操作にとまどい時間を奪われる社員が続出なんてことがおこり、その中の一人だった彼女の不満が爆発して冒頭の叫びとなりました。

 

そんな非効率なものをなぜ会社は導入したのでしょうか?面倒なことをさせて社員に嫌がらせしてやろうと思った?(そんなワケはないですね。)

そこには「部分最適」と「全体最適」という考え方が出てきます。

 

部分最適とは「ある狭い範囲(見える範囲、考えられる範囲、できる範囲)で行動をし最適にする」こと。対して、全体最適は「視野を広く持ち、全体を見て最適化をすること」と言われています。
(『はてなキーワードhttp://d.hatena.ne.jp/keyword/)』より)

 

Nさん個人という「部分」の目線だと、これまで、秒でさっさと紙で済ませていたものが、突然よくわからないパソコン画面に変えられ、手こずって何分もの時間を浪費してしまうのを「非効率!!」と叫びたくなるのもわかります。彼女にとっては紙でやるのが最も効率的な方法=「最適」なんです。

 

しかし、会社「全体」で考えると話は変わってきます。
紙で出された勤務記録は、その後で、誰か(おそらく人事部の人)によってやはりパソコンへ入力され、給与計算などの集計処理をされていました。つまり“紙への記入”と“パソコン入力”という2つの作業が行われていたのです。
それを、勤怠管理システムを導入して、個々の社員自身が入力するように変えることで、“紙への記入”という作業がまるまる省略できました(さらに紙代も節約)。これは会社「全体」にとって効率的な「最適」ということになります。

 

部分と全体。
会社が目指すべきものは全体最適です。
もしもNさんが、システムの操作方法を自ら学び、率先してまわりの同僚に教えるなんてことをしてたら、会社にとってハッピー=全体最適だったでしょう。
でも実際は、「他の部署が何してるかなんてワタシは知らない!」「人に教えたって手当がもらえるわけでもない!」なんて思われてるから、部分最適に走ってしまうのではないでしょうか?

 

システムを導入する目的をしっかりと現場社員に(腹落ちするまで)伝えて、また、全体最適につながる働きをした人はしっかりと評価してあげることが、組織として部分と全体をうまくつなぐための必要なことなんですね。(まあ現実はけっこう難しいことですが・・・。)