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比較的手軽にリモートワーク環境をつくるには(事務系中小企業向け)

新型コロナウイルス感染症に罹患された皆さま、及び関係者の皆さま、感染症の影響により事業に多大な影響を受けていらっしゃる事業者様に謹んでお見舞い申し上げます。また、医療従事者をはじめ最前線でご尽力されている皆さまに、心から感謝申し上げます。

各事業者様はコロナウィルスに伴う感染拡大防止の観点から、従業員を守るため、お客様を守るため、企業の収益を守るため、リモートワークへの移行を志向されていると思います。

「もっと前からリモートワークを検討しとけ!」と怒られそうですが、目の前のことで精いっぱいのお仕事をされている社長さんたちにそれを言うのは酷である一方、感染拡大への対応は待ったなしとなり、じっくり考えている暇もないのではないかと思います。

私が支援させていただいている法人でも、上記の課題は発生し、3月末~4月末までは、私もその体制整備にずっと関わりっきりでした。(本職は小売業の営業力強化や小売業や卸売業の物流・業務改善などなのですが・・・)

その経験から、迅速にリモートワーク体制を作る方法をまとめてみたいと思います。なお、この体制は事務系の法人が対象であり、その他の企業様への参考になるかはわかりませんのが、お時間があればご一読ください。

下記1~4は実施済み、5は導入準備中です。

 

1.ZOOMの導入によるウェブミーティングや拠点間コミュニケーション体制構築

当法人では、普段はあまり使っていなかった別拠点の部屋をサブ事務所として設定し、事務所の密度を下げて感染予防するために10人の所員のうち2名をそこへ勤務させるようにしました。ただし、電話などを用意することができなかったため、余っていたノートPCにZOOMを入れ、常時接続することで、両方の事務所の様子が分かるようにして、できるだけ、いつもの本拠地と同じようなコミュニケーション体制を構築しました。

また、定期的な営業進捗会議などを実施するために、ZOOMで各担当とそれぞれ接続し、事務所の中でも一か所に集まらないようにして、ZOOMミーティングを行うようにしました。

今後は顧客との面談などもZOOMを推奨していく方向です。

このZOOMは、常時接続したり40分以上の会議をする場合は、「PRO」以上の有料版への移行が必要でした。コストは年間24,000円でした。各プランの料金は以下のリンクを参照ください。

https://zoom.us/pricing

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2.TeamViewerの導入によるリモートアクセス体制の構築

当法人は、個人情報の取り扱いが多いため、所員がリモートワークする際に持ち出すことができる書類や電子ファイルに限りがあります。また、専用の業務ソフトは高額でリモート用PCに新たにインストールするのはコストも時間もかかるという事情がありました。そこで、リモート用PCにTeamViewerというアプリをインストールして、リモート用PCから事務所の各担当のPCに直接アクセスして、あたかも事務所のパソコンで仕事をすることができる体制を構築しました。インターネットが発達しているのか、アプリの性能なのか、比較的サクサク業務をすることができ、遅延などのストレスを感じるケースはあまりありませんでした。(PCのスペックにもよるとは思いますが)

このTeamViewerは下記のリンクからダウンロードできます。

https://www.teamviewer.com/ja/

個人利用であれば無料版ですが、法人で使う場合は有料版を使うよう促されます。無料版でも有料でもほぼ基本機能は使えますので、まずは無料版でお試し利用して、使い勝手が良ければ有料版に移行するというのがおすすめです。

各プランは以下のリンクで確認できます。

https://www.teamviewer.com/ja/buy-now/

最も安いプランは「リモートアクセスプラン」ですが、ここには「1 アカウント 接続元台数無制限、接続先台数3(1人のユーザーが複数デバイスから最大3台に接続できます。)」と書かれています。これを具体的に説明すると、Aさんにアカウントを1つ付与すると、その人は自分のIDを持っていれば、どのPCからでも接続先PCにアクセスできますが、接続先のPCは3台までに制限されるという意味です。

コストは一番安いプランで24,804円/年間です。一括払いが求められます。

複数アカウントを一括で申し込む場合は、チャットなどでその旨を営業担当に伝えると、メールでやり取りが始まり、意思決定してその旨をメールで申し込むと、アカウントのリンクが送られてきて、それをPCにインストールするとすぐに利用できるようになります。意思決定すれば、その日中に導入可能です。そのあと、請求書が送られてくるので後払いで支払います。

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3.キントーンの活用による顧客データベースへの情報集約化

これまでも当事務所ではキントーンを使ってきましたが、それ以外にエクセルで管理するデータや業務ソフトで管理するデータもあり、しかも、重複する内容だったり、何のために作っているのかわからないものもありました。さらにチャットワークで顧客別の案件に対する連絡体制が敷かれていました。

これをリモートワーク体制構築を機に、キントーンへの入力に集約し、その他の入力を削減しました。キントーンに顧客ごとの案件情報を入力し、その案件に対する指示命令や結果報告はキントーンの案件ごとのコメント欄でやり取りするようにしました。そして、このデータベースを基にそれまで紙ベースで行ってきた定例の案件進捗会議で紙の資料を廃止し、ZOOM上でキントーン画面を共有化しながら、個別案件の進捗確認や方針共有化を行うことができるようになりました。

料金体系は以下の通りです。

https://kintone.cybozu.co.jp/price/

4.IP電話アプリ050+導入による通話体制の構築

上記1で述べたサブ事務所勤務時や自宅でのリモートワーク時にお客様との電話の送受信が課題になった一方、従業員のスマホを借りるのは本来的ではないので、取り急ぎ、リモート用PCに050+アプリを導入し、PCで電話の送受信をできるようにしました。ただし、通常の電話に比べると、通話時間が長い場合、ぶつぶつ切れたりする現象もあるので、あくまでも、代替機能としての利用にとどまりそうです。

また、050+アプリ導入後に現場から「サブ事務所に要員が行っているため、メイン事務所に残った人に電話対応の負担が増え、不満が出ている」との声が出たので、下記5の策を検討中です。

050+は月額300円の基本料金と通話料がコストとなります。今は基本料金2か月無料キャンペーン中です。

https://www.ntt.com/personal/services/phone/ip/050plus.html

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5.MOT/TEL導入による複数拠点内線化

上記の課題を解決するために、クラウド型PBXサービスを導入することを検討しています。クラウド型PBXは、スマホを事務所の内線電話として活用できるサービスです。簡単に言うと、事務所の代表電話に電話がかかってくると、各担当に配布されたスマホが同時に鳴動し、転送も可能です。サブ事務所にいる所員がもつスマホもメイン事務所と同時に鳴動するため、メイン事務所で取れない場合はサブ事務所でとることができ、メイン事務所の担当に転送することも可能です。

月額料金は10回線ぐらいで約4,000円でこれに、固定IPアドレス管理料が1,500円とのことで、現状のフレッツ光ひかり電話よりも大幅に安価にもなります。

(訂正:フレッツ光回線を利用したサービスなので、NTT基本料金や通話料は同じ通話時間であれば変化ありません。)

これで上記4の問題は解決しそうなのですが、まだ通話品質などを確認できていないので、それを確認の上、導入を決済しようと思っています。

https://www.mot-net.com/mottel


6.今後にむけて

上記1~5はあくまでもリモートワークに向けた道具を準備した段階です。道具を使っていくうえで、使いにくい部分や現状の業務を変えていく必要がでてきますので、それを地道に改善して、使いやすい道具にしていかなければ生産性が下がり、結果的にはお客様にも迷惑がかかり、収益も悪化します。

特に、紙ベースを前提とした仕事の仕方をどこまで改善できるかがポイントになってきます。すべてPDF化してサーバに格納し、リモートPCでアクセスする体制が最も望ましいのですが、業務特性上、電子データでは生産性が大幅に落ちる可能性もあります。これを実現するには現場の納得が必要となるため、できるだけ現場がやりやすいように変化させていくことが重要だと思います。そのため、今後は現場と業務改善ミーティングを行い、みんなが使いやすい道具へ昇華させていくつもりです。

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7.最後に

まだまだ、これからの改善が必要な取り組みですが、少しでも皆様の参考になればと考え、投稿させていただきました。また、他にも良い方法がでてきたり、良い効果が出た場合には、ご報告させていただきます。