脱「何も決めない会議」のためのファシリテート法
杏です。
だんだんと紫陽花が大きく育って来て
これからが楽しみな今日この頃です。
今回は、何も決まらない会議や打ち合わせを
どう乗り越えるか。
期限のタイトなプロジェクトや
前に進めなくてはならないはずの打ち合わせや会議。
そんな中で出される
対案のないふわっとしたコメンテーター的発言。
議論がかみ合わず、結局何も決められない。。
という事態も起こりがちです。
そうした事態にファシリテートする側として
どう対処するかについて考えてみたいと思います。
(*この記事ファシリテートは「主催」的な
意味合いで使っており、完全に第3者の立場で
ファシリテートするということではないのですが、
第3者の立場でも参考にしていただけるかと思います)
コメンテーター的発言の背景
まずはコメンテーター的発言の裏側にある特性を
考えてみます。
多かれ少なかれ、こんな特性があるのでは
ないでしょうか。
1 考え・意見のレベルまで考えていない
「ちょっと私の考えているものとは違う」とか
「もっとこう****(抽象的な表現)なものを」とか
ふわっとものを言う。
考えや意見のレベルではなく、
感想レベルに留まっている状態。
2 案件が自分ごとになっていない
感じていることを言うけれど、
「ではどうしたらいいか」といった
対案を考えるのは自分ではないという意識がある。
3 俯瞰力に欠け、「今ここ」での決断意識がない
この場で何かしら具体的に前進しなくては
締め切りに向けての工程が厳しくなる、
ふんわりしたコメントにどう対処するかに
頭を悩ます人が出るといった事態なども含め、
全体を俯瞰する意識が低いため、
「今ここ」での決断や前進の意識も低くなっている。
特性を踏まえたファシリテートのコツ
では、以上のような特性を考えた場合、
どのように対処したら良いか。
(対応はもちろん人それぞれかと思いますが)以下を
試してみてはいかがでしょうか。
1 感想→考えに引き上げ、自分ごと化へ導く
ふわっとした批評コメントが出た時、
そう感じた理由をまず尋ねます。
(「実際の問いかけでは「考える」を使います)
その上で、その人の挙げた理由をもとに
「では、どうであったら良いと思うか?」
を問いかけます。
実際はそこで言葉に詰まってしまうことが
多いので、その人があげた理由をもとに、
「では、例えば*****ならどうでしょうか?」
とこちらから質問をしていくのがおすすめです。
その人が「自分の感想」を「考え」に引き上げる
プロセスをサポートし、
その人なりの対案をその場で形にしていくイメージです。
(実際はファシリテートする側が考える「例えば」なので
こちら側とも折り合いのつくものに持っていきやすく
なるという効果もあります)
その上で、ある程度見える化された対案について
他の参加者の意見を聞いていき、
そうした意見を入れながら最終的に
「みなさんのご意見を踏まえて、***でどうでしょう?」
と言った問いかけをしてまとめていきます。
コメンテーター的発言もこのようにすると
前向きな議論の糧にすることができるほか、
このプロセスで具体化していくと
他の参加者も「考えよう」とし始めたり
参加感が増してきたりする感じもあって一石二鳥です。
2 スケジュールを意識させる
会議でやりがちなのが決定の先延ばし。
特に定例的に毎月のように行われる会議になると、
いとも簡単に、では持ち帰って・・・となりがちです。
そのため、私の場合は必ず、
スケジュールを意識してもらうようにしています。
具体的なプロセスとその期限、関係者にとっての締め切り
を明示し、いつまでに何を決める必要があるのかを
明示します。
先延ばしの空気が出たら、いつまでに決めなくてはならない
という根拠として使い、その場での意思決定に生かしています。
3 先延ばしなら、次なるアクションを伝える
「先延ばし」や「持ち帰り」が確定になった場合には、
その案件について、どのような作業を誰がいつまでに
行い、いつまでに決めるのかと言うアクションイメージを
その場で伝えます。
それによって、エンドレスに議論だけが続く状態
を防ぐことができます。
番外編
また、あまりにも自分ごと感やスケジュール感覚がないなと
感じる場合、
フラットな構成で、言えるような相手が
集まっている場合に限りますが、
ファシリテートする側として困ってしまうことを素直に話し、
協力を求めると言うことも一つかと思います。
***
今まで書いてきたことは決して「人」がどうこうという
視点ではなく、「発言」をどう変化させていくかという視点
に立っています。
簡単に「人」に紐付けてしまわず、
「目的達成のために何をどう変えていけば良いのか?」と
考えることが大事な気がしています。
お互いがんばりましょう☆