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「自転車が趣味」の長い話(前編)

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こんにちは、自転車が趣味のMです。


最近、自転車を始めたい人が増えてるようで、いろいろ教えてと言われることがあるのですが、どうしようかとちょっと考えてしまいます。

というのも「自転車が趣味」とひと口に言っても、実はその中身の幅はかなり広くて、何から説明するのがちょうどいいか迷うのです。

自転車ファン同士が話していてもそういう面はあって、「私も自転車好きなんですよ!」と意気投合しかかっていたのが、ジャンルが合わないと急に静かになることもあります。

おそらく鉄道ファン(ex.撮り鉄乗り鉄、時刻表鉄、模型鉄、等々…)にも匹敵するバリエーションがある、自転車趣味の世界を今回はまとめてみました。

 

<乗ると見る>

まず大きく分けると、「自転車に乗る」と「自転車を見る」に分かれます。

「乗る」の方から説明していきましょう。

 

<乗る>

1.ファンライド

自転車を趣味として“楽しく”乗ることをファンライド(Fun Ride)と言っています。ファンライドの中にも種類があり、乗る時間や距離などで呼び方が変わってきます。

「楽しく乗るのは当たり前じゃないの?」と疑問が浮かぶかもしれませんが、それについてはまた後ほど。

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(1)ポタリング

自転車に乗ってお散歩感覚で近くをぶらつくのがポタリング(pottering)で、観光スポットを回ったり、海や川を眺めながらゆっくりと走ったりします。

たとえば都内だと、谷中・根津・千駄木あたりのお店巡りや、お台場の海沿いを走るコースなどが有名です。距離は10~20kmくらいが多いですね。

自転車趣味といえば、このポタリングでキャッキャウフフしている絵を思い浮かべる人も多いでしょう。

 

(2)ツーリング

ツーリングでは、ポタリングよりも長い距離(50~100km程度)を、目的地に向かって走ります。荒川や多摩川のサイクリングロードを走ったり、横浜方面まで足を伸ばすようなイメージです。

「50km!?」と聞くと、ふつうの人にとっては軽く血の気が引く距離ですが、自転車人はこのくらい走ってようやく「ん、体がほぐれてきたな」と感じる程度です。(このあたりからやや変態の域に足を踏み入れていますね。)

 

(3)自転車旅行

交通手段として自転車を使い、遠くまで旅をします。東京からだと一日あれば、熱海や箱根、富士山のあたりまで走ることもできますね。

さらに走った後に温泉とビールがあれば最高で、ましてご当地グルメと地酒などが出たりしたら、いい大人達が仕事も家族も忘れてハシャぎ回ります。(コロナ中ではキビシイですが…)

 

ちなみに自転車旅行には2種類あって、目的地まで自分の足で走る「自走」に対して、自転車ごと電車や車に乗せ移動することを「輪行」と呼びます。

輪行をするには専用のバックを用意して、自転車を分解or折りたたんで収納する必要がありますが、行動範囲が飛躍的に広がり、北海道や沖縄、はては海外でも走ることもできます。

ホノルルセンチュリーライドという、なんとハワイで走れるイベントもあります!)

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(4)ロングライド/グランフォンド

100km以上の長距離になるとロングライドと呼ばれます。

ツーリングのように目的地に向かうというよりは、それぞれのコースを走ること自体を楽しむものです。ロングライドはイベントとして全国で開催されていて、佐渡島一周ロングライド(210km)』『琵琶湖一周ロングライド(200km)』などが有名です。

中でも山岳コースをメインとするものを「グランフォンド」といい、山の美しい景色も堪能できることが魅力です。走る途中にいくつか休憩所が設置されていて、名産の果物やご当地グルメを味わえる「グルメフォンド」なんてイベントもあります。


2.アスリート型
ファンライド型はあくまで楽しさが優先ですが、アスリート型はスポーツとしてタイム等をを競うスタイルです。

「わざわざ苦しんでまで乗りたくない。」と避ける人も多いですが、ファンライドから始めた人がだんだんとハマってきて、気づいたらゴリゴリのアスリート型になっていた、という話もよく聞きます(「自転車沼」にようこそ!!)。

アスリート型の中でもいくつか種類があり、「速さ」「長さ」「高さ」で方向性が分かれます。

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(1)速さ

①ロードレース

ロードレースは個人またはチームで100~200kmを一斉に走りタイムを競います。

自転車競技と聞いていちばんイメージされやすいのはロードレースではないでしょうか。

世界最大のロードレースイベントであるツール・ド・フランスは多くの方が聞き覚えあるかと思います。

 

ただ残念なことに日本では、大勢がまとまって走るコースを確保するのが難しいことや安全性の観点から、趣味で参加できるロードレースイベントはかなり限られています。

沖縄本島210kmを走るツール・ド・おきなわがホビーレーサーの甲子園と呼ばれる国内最高峰のロードレースです。

 

クリテリウム

ロードレースと同じく集団(または個人)でタイムを競う競技ですが、数キロほどの周回コースを10周・20週など決まった回数まわる形をクリテリウムと呼びます。

コースが限られた範囲で収まるため、アマチュアの大会としてはロードレースよりも数多く開かれています。

ちなみに同じ数キロ程度のコースを一人(または1チーム)ずつ順番に走る競技は「タイムトライアル」と呼ばれます。“まとめて走るか/別々に走るか”だけの違いに思えますが、戦い方や強い選手のタイプがけっこう変わってくるため違った戦術が必要となります。

 

エンデューロ

クリテリウムのように周回コースを走る競技ですが、一定時間の中で何周走れるかを競うのがエンデューロで、「〇時間耐久レース」なんて名前で開催されています。

モータースポーツ等が行われるサーキットでの開催が一般的で、『スズカ8時間エンデューロ』『9極の耐9 in 筑波サーキットなど、起伏に富んだ有名コースを思う存分走れることも魅力です。

ちなみに、エンデューロはふつうチームなど複数人で交代して走りますが、個人で数時間走り続ける猛者もいます。ただ、走り終わったあと一人寂しく自転車を片付けて、誰とも喜び(苦しみ)を共有することなく帰る…というのが何より辛いとか。。。

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(2)長さ

●ブルべ

長さ=走る距離をひたすら追求する「ブルべ(Brevet)」というイベントがあります。
その距離というのが尋常でなく、最低でも200km以上(注:“以下”ではなく“以上”)、さらに300km、400km、600km、そして1200kmを一度に走ります。自転車人でも耳を疑う凄まじさですね。

もちろん走る途中で休憩や食事、仮眠をはさみますが、制限時間も決まっているため「ゆっくり無理せず」というわけにもいきません。

参加には保険への加入が義務づけられるほどの過酷なものですが、好きな人(私ではありませんよ)にはたまらない競技としてがっつりハマっているそうです。

 

(3)高さ

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ヒルクライム

山や峠など、登り坂をひたすら走る競技がヒルクライムです。「なぜキツい上り坂をわざわざ好んで走るのか?」と、一般の方から特に不可解に思われています。

上り坂が苦しいことは確かですが、力いっぱい漕ぐことの充実感や、景色の美しさなど魅力はいろいろとあります。

※このあたりの話は以前の記事にも書いたので、よければぜひ。

moreblog.hatenablog.com

 

イベントもたくさん開催されていて、一番人気のMt.富士ヒルクライムではなんと1万人ものヒルクライム好きが、富士山5合目(標高1200m・距離24km)まで一斉に駆け上っていきます。

彼らは愛着と尊敬をこめて「坂バカ」なんて呼ばれていますが、私もそのうちの一人です。

ただし、坂バカの中でもレベルの差が存在します。

走行距離150km・獲得標高5000m(!)以上という日本最強・最悪と名高いイベント『The PEAKS』や、世界一高いあの山と同じ高さ(8848m)まで何度も何度も坂を上っては下る「エベレスティング」などは、坂バカという表現ではとても生ぬるい、常軌を逸した“修羅の国”です。(もちろん私は入国したことはありません)

 

jitensha-hoken.jp

 

www.redbull.com




と、ここまでで<乗る>の説明も途中ですが、まだまだ続きますので次回以降(中編・後編)にてよろしくお願いします!

 

moreblog.hatenablog.com

 

 

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