成長するためのフィードバック
こんにちは、オレンジ色のユニフォームです。
「ついに」というか、「とうとう」というか、
先月の終わりから降圧剤を飲むことになりました。
毎朝1錠服用しています。
降圧剤については自分の中でネガティブなイメージを持っていました。
このため、これまで医者から服用をすすめられても「できれば飲みたくありません」と抗ってきました。
しかし、客観的な数値を示されたり、信頼できる知人からのすすめもあったりしたため、ついに観念しました。
降圧剤の服用とともに毎日起きたらスグに血圧を測るようにもなりました。
市販の5,000円くらいの廉価な血圧計を使っています。
・息を整え
・腕を締め付けるカバーを巻きつけ
・計測開始のボタンを押す
・カバーの収縮が始まる
・これでもこれでもかとグングンと腕をしめつけてくる
・うううっ、
・しばらくすると、”プしゅ~~~~” という音とともにしめつけから解放される
・血圧が表示される
その日の血圧の数値が低いと、「このままでいいんだ」と自分の行動を維持していこうと考えます。
逆に、昨日よりも高くなっていたりすると、「なにがいけなかったんだろう」「昨日、飲みすぎたのかな」「油物を食べるのは控えよう」「もう少し歩数を増やそう」と自分の行動を変容することを考えます。
つまり、「降圧剤を飲む+食べるものに気をつける+毎日運動を欠かさない」の活動の結果が「血圧の数値」としてフィードバックされ、それが、自身の考えや行動に影響を与えているのです。
このルーティンを毎日続けてきた結果、おかげさまで血圧の数値はゆるやかに降下中です。
フィードバックタイミングによる効果の違い
血圧が下がり始めた時、16年前の診断士予備校のことを思い出しました。
診断士の二次試験は唯一無二の正解があるわけでもないため、雲をつかむようなところがあります。そのため受験生は、正解に近づくノウハウを習得するため、予備校に通ったり、通信教育や自主勉強会を使ったりして、自分なりの正解に近づく手法を身につけることが行われています。
ボクは当初T予備校に通い、本番試験に近い答案練習(模擬テスト)を解くことで解法を学んでいました。
T予備校の答案練習の結果は、答案に添削コメントと点数がつけられ受験者に返却されます。
答案が返却されると、どこがよくて、なにがいけなかったのか、を自身で理解することができました。
ただ、答案が返却されるまで次のようなモヤモヤが続きます。
「できたのかなぁ」「あそこの問題の答えはあれでよかったのかなぁ」「模範解答とは微妙に違うけれど、あの内容だとどの程度点をもらえるんだろうか」
通常、答案の返却のリードタイムは受験してから3週間後くらいでした。
このため、答案の返却を受け取る前に次の答案練習を受験することが当たり前にありました。あまりにも返却が遅くなると、「あれ、これなんだっけ」と、受験したことさえも忘れていたこともありました。
つまり、フィードバックを受けるタイミングが、起点となる行動から3週間後となるため、自身の考えや行動を変容するための機会がそれだけ遅れてしまう、ということが起きていたんです。
そこで、ボクはM予備校にも通うことにしました。
M予備校の答案練習の結果は、なんと、受験したその日のうちに、添削コメントと点数がつけられ受験者に返却されるという圧倒的短納期のリードタイムだったのです。
このため、答案が返却されるまでの前述したモヤモヤは生じても、すぐに解決していました。
その日のうちに、答案が返却されると、どこがよくて、なにがいけなかったのか、を自身で理解することができます。軌道修正した結果を、次の答案練習に活かすことも当たり前にできました。
このおかげで、ボクの答案練習の成績は短期間でグングンと伸びていきました。
これは、フィードバックを受けるタイミングが起点となる行動とほぼ同時となっていたため、自身の考えや行動を変容するための機会を逸しない、ということが起きていたと考えました。
効果的なフィードバックとは
次に、これまでの事例を参考に、効果的なフィードバックについて考えてみたいと思います。
まず、フィードバックを次の通り定義します
・対象は完了した自身行為
・自分では気づけない、他者からの評価
・その結果、自分の考えや行動変容につながるもの
つまり、フィードバックの効用は、“過去の振り返り”と“未来の自分への示唆”がわかることなのです。
自身の成長につながることにもなるし、是正する機会にもなります。
上記の定義を踏まえ、効果的なフィードバックを受けるための5つの条件を考えてみました。
■第1の条件:目指す定量的な目標を持つ
自分の目指す目標を持ちましょう。
ただ、漠然した目標ではなく、定量的な目標でなければいけません。
たとえば、診断士二次試験であれば、「合格する」という目標ではなく、「合格基準の60点×4科目=240点をクリアする」を目標値とします。血圧の事例では、「血圧を下げる」ではなく「血圧を130-80にまで下げる」を目標値とします。
定量的な目標とすることでフィードバックを受けた後の軌道修正がやりやすくなります。これは後述します。
■第2の条件:自分が信じる人からフィードバックを受ける
だれから聞いてよいわけではありません。
間違った人に聞いてしまうと、心をかき乱されたり、振り回されたり、無駄な時間を費やされたり、してしまうこともあります。
「自分が信じるこの人なら」と厳選した人から受けるようにしてください。
ただ、必ず人である必要はありません。自分が信じられる機械であれば機械でも構いません。
■第3の条件:客観的な評価を受ける
主観的な評価ではなく客観的評価を示してもらいましょう。
フィードバックされた数値と前述した定量的な目標値と比べて、「どこが、どれだけ、足りていない/足りている」が確認できます。これによって、自身の行動の「どこに、どれだけ、行う」につなげることができます。
主観的な評価はブレることがあるため、ともするとリスクを伴います
一方、機械の場合は、客観性が高まります。
■第4の条件:自分の意志でフィードバックを聞きにいく
自分で積極的にフィードバックを聞きに行きます。
自分がフィードバックを受ける態勢ができていない場合は、フィードバックを受けても響きません。受動的や惰性でフィードバック受けているなら時間やお金がもったいないので、やめてしまったほうがマシです。
自分の意志の強さは、自分が投資したリソースの大きさに比例することがあります。大きいほどスイッチが入りやすいです。
ライザップのレッスン料も自分の意志の強さを増幅させる力があると思います。
■第5の条件:起点となる行動完了から時間をおかずにフィードバックを受ける
フィードバックを受けるタイミングは起点となる行動完了から時間をおかないこと。
これは先の事例でくどくどと書いたので説明は割愛します。
さて、1年に一回の受診する定期健康診断は、あなたにとって良質のフィードバックになっているでしょうか。
フィードバックじゃないものには注意
(ここからはおまけです)
日々の暮らしの中にもフィードバックぽっいものがあります。
しかし、フィードバックぽっいだけであって、フィードバックではありませんので、受け取り方に注意しましょう。
たとえば次のような小言です。
・勉強したの
・食べすぎじゃない
・まだ飲むの
・太るわよ
・体に悪いわよ
・ちょっとは片づけたら
・ダラダラしてるんじゃないわよ
・いつまで寝てるの
・いい天気よ、たまには外にでてきたら
・またゲームやるの
・いいかげん寝なさい
・スマフォから手を離しなさい
これらは、自分が行動を起こす前の警告、もしくは、行動中の行為に対する継続禁止指令なのです。
自分の行動を抑制させるものは、フィードバックじゃありません。
これを継続的に真正面で受けてしまうと、ともすると精神的に参ってしまう恐れがあります。学生ならば甘受するしかありませんが、おっさんになっても言われている人は、うまくかわすスキルを身につけるのがいいと思います。
#まぁ「言われる方も言われるほうだ」と言ってしまうと、身も蓋もありませんが
フィードバックでもためにならないものがある
フィードバックでもためにならないものがあります。
最たるものは、頼んでいないのにファードバックしてくる人です。
#最近の教え魔問題と似てますね
「ちょっといいかな」「最近君はさぁ~」
と近寄ってきて、頼んでいないのにフィードバックを始める人には注意しましょう。
主観的な評価で、信じられない人からのフィードバックはいいことありません。
おそらく、自分の欲求を果たそうとしているだけであることが多いのです。
対処法は、できるかぎり顔を合わさないようにするか、出会ってしまったらスルーする、です。
あと、自分がどうしてもフィードバックしたくなってしまっても、相手から求められない限りフィードバックしないことは肝に銘じておきましょう。
聞く耳を持たない人に正しいことを伝えても「おせっかい野郎」「ガミガミ野郎」と思われるだけですから。
自分がどうしてもフィードバックしたくなってしまったら相手に対して次の許可を得てからするようにしてください
・フィードバックしてよいか確認する
・本当にいいのか、嫌な思いをするかもしれないゾ
・自分の考え方とはちがうのかもしれないゾ
・それでも良いか
最後まで読んでいただきましてありがとうございます
了