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引き継ぎ資料は「5W2H」

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こんにちは。Mです。

このところ仕事で人の異動が立て続けにあって、いくつかの引き継ぎをまとめて行っています。

 

異動者には引き継ぎ資料を作ってもらうのですが、それが人によって出てくるものにけっこうバラつきがあり、「コレジャナイ…」と直してもらうことも少なくありませんでした。

そこで、ちゃんと役に立つ「引き継ぎ資料」はどんなもので何の情報がいるのか、ということをあらためて考えたところ、皆さんとてもお馴染みのフレーム「5W2H」に辿り着きました。

 

1.What「何をやるか」

異動者が現在担当している業務には何と何があるのか、大枠でまとめます。

ここでは担当業務をタスクとして箇条書きで書き出します。なかには頻度や業務量の少ない仕事もあるかと思いますが、小さな仕事でも漏れなく挙げることが大事です。

担当業務の全体像と各業務のボリューム感をつかみ、後任(1人の場合も複数人の場合もありますね)の誰にどの仕事を渡すかを考える材料にもします。

 

2.When「いつやるか」

今でしょ!!」…ではなく、各業務をいつのタイミングで行っているかをまとめます。

時間の単位はいくつかあり、日ごと、週ごと、月ごと、年間それぞれで、カレンダーやスケジュール表の形に落とし込み、各業務を行うタイミングがわかるようにします。

業務にはルーチンとイレギュラーがありますが、イレギュラー業務についても発生しそうなタイミングなど、これまでの経験からある程度わかることがあれば書き加えておくのがいいでしょう。

 

3.How「どうやるか」

ここで、各業務の具体的なやり方をマニュアルとして明文化させます。

文書の形としては、仕事の流れがわかる「フロー」を基本として、補足で「チェックリスト」や、各種書類やメール文の「雛型(フォーマット)」「参考資料」なども記しておきます。関係する資料が置いてある"場所"も、漏らさず書いておきましょう。

現担当者自身はその仕事について‘わかっている’ので、資料作成の際に細かい内容をついつい省略してしまうことがありがちですが、そうではなく、初見の人がその引き継ぎ資料を見ながら作業しても、最低限問題ない結果が出せる程度に、細かな説明も漏らさず書かなければいけません。

教える方(異動者)と後任者の理解のズレは、引き継ぎ時のトラブルで特に多いものですから。

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4.who「誰とやっているか」

仕事を行う際の関係者も明らかにしておきます。

業務を進める時に判断をあおぎ承認してもらう決済者や、協力して仕事を進めている同部署・他部署の担当者、それから社外の協力会社など、名前や連絡先と報連相している内容がわかるようにまとめます。

なお営業の仕事の場合、上記に加えて顧客データは特に重要な情報として別途独立してまとめる必要があるでしょう。

 

5.Which「バリエーション」

ここまでで、引き継ぎ業務の基本的な進め方はわかるようになりました。ただ、仕事は毎回同じように進むわけではなく、その時々のバリエーションがあり得ます。

「基本の流れとしてはこう。ただし、こういう時にはこう対応すること」というのも出来る限り掘り起こしておくと、引き継ぎ後の仕事がよりスムーズになります。

資料としてのまとめ方では、上記3.のマニュアルに補足として書き加えるのがポピュラーな方法ですが、バリエーションが多い場合は「ケース集」や「想定問答集」など独立した形でまとめる方がいいでしょう。

 

6.Why「目的、繋がり、考え方」

仕事は、単に作業するだけではなく「何のために行うか」を理解することで初めて、身に付いたといえます。

仕事の目的、目的を達成するための個々の仕事の繋がりがわかると、仕事の重要度合いや優先順位が見えて、状況の変化に合わせて臨機応変に動くことができるようになります。

これらはとても重要なことですが、文書の形で伝えるにはなかなく難しくもあります。
資料にするよりも、引き継ぎの打合せなり、引き継ぎ期間中に並走して仕事をする中で、現担当者からの生の言葉で伝えてもらう方が効果的かと思います。

 

7.How much「相場感」

「相場感」とは、担当者が仕事の経験を積み重ねる中で育ててきた、数量的な判断基準です。

たとえば、購買担当者なら「どの備品の値段がいくらぐらいが適正か、社内の審査に通るか」「どのくらいの数を常備しておくのがいいか」「この備品を発注したら納期は実際どのくらいか」といったもので、業務を進める上でいくつも行われる判断・決断に用いられます。

相場感はまさに経験知の極みのようなもので、その時の状況や関係要素によっても微妙に変わってしまうこともあり、人に伝えるのが非常に難しいです。

「実際にやっていく中で身に付けるしかない・・」と言いたくなりますが、それでも使う頻度の高い情報については、参考情報としてある程度の目安の数字だけでも、マニュアルの中に記載しておくべきでしょう。

 

以上が「引き継ぎ資料の5W2H」です。

実際の仕事の現場では、全ての内容を網羅して資料に落とし込むのはなかなか大変かもしれません。

ただ、これらをしっかりまとめておくと、単に引き継ぎに使うだけでなく、属人的な状態になっていた仕事を標準化する役にも立ちますので、むしろチャンスととらえて頑張ることをおすすめします。
(と、自分に言い聞かせて、ヒィヒィいいながら引き継ぎいま頑張っています!(笑))

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