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月次決算の考えどころ悩みどころ

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こんにちは、Mです。

最近関わっているお仕事の中で、月次決算方法の見直しというものがあり、少々頭を悩ませています。

 

決算といえば、年に一度、期末に行う「年次決算」がまず思い浮かびます。これは会社の一年間の成績のまとめで、株主や金融機関などステークホルダーへの報告や、法人税などを納めるための、いわゆる財務会計税務会計の分野のものです。

 

対して「月次決算」は、月に1度、売上や利益などを集計して見える形にすることです。

年次決算と違い、外部に見せるのが主目的ではなく、会社内部のためのもので、事業の状況が予定や目標に対して順調かをチェックする目的で作ります。(こちらは管理会計の分野ですね)

 

たとえばスーパーマーケットなら、ある月の売上を前月や前年同月と比べて良いか悪いかを確認し、もし先月より売上が落ちていたなら、チラシの配布・品揃えの見直しなど改善策を打っていく、といった活用のイメージです。

 

さて、今あれこれ考えているのは、あるサービス業の会社の月次決算です。

こちらの会社には、以下のような特徴があります。

■売上件数・金額の月による変動が大きく一定ではない。
■売上時期の変更が多い。
■年ごとの売上高の変動も一定ではない。
■営業で受注してから売上計上までの期間が長い(数か月~数年)。

 

問題点は、月によって売上があまりに一定ではないため、前月や過去同月と比較しても、良いか悪いかがわかりづらいことです。これでは月次決算してもあまり意味ないのかも・・などとも思ってしまいます。

(年次決算の途中経過を見る、という意味はあるのですが)

 

ということで、一般的な「売上等の月別比較」という方法の効果が薄いならば、本来の目的の「経営状況の把握と対策」に立ち戻ってみて、別の切り口からのアプローチもできるのでは?と考えてみました。

 

【切り口1】案件単位のアプローチ
月次決算は通常は事業部門や部署単位で出しますが、それだと他の月との比較が難しいのが今回の難点です。そこで、個々の案件ごとの単位での把握に切り替えます。

ある案件についての売上見込みや進捗状況を、事前に設定した目標との比較することで、現状がgoodかbadかを判断し、必要に応じて対策を打つ(ex. 人員調整や、顧客・仕入先との折衝、等々)ことに繋げられます。

 

【切り口2】営業活動へのアプローチ
営業活動へのアプローチを考えてみます。

(現在の売上はいったん置いておいて、)未来の売上の元になる営業活動がしっかり行われているかを把握・改善することを目的とします。

チェックの対象は販売件数や売上金額だけでなく、商談回数や受注確率など営業の各プロセスにも分けてとらえて、それぞれの段階で目標に向かって動けているかを見ます。

 

【検討3】売掛金回収へのアプローチ
売上後の入金状況を把握することも、会社の資金繰り・キャッシュフローのために重要な部分です。

月ごとの回収状況がもし予定とズレているのなら、回収方法を見直したり、個別の顧客に折衝したり、または経理部門側が金融期間と融資交渉するなど、対応・改善すべきことはいろいろとあります。

 

例として3つほど切り口を挙げてみましたが、アプローチの仕方は他にもありそうです。

似ている業種や、ビジネスモデルに共通点がある会社の事例なども見てみると、ヒントが見つかるかもしれません。

なかなかに悩ましいですが、既製の型にはめるだけでなく会社・事業ごとの目的に合ったやり方を、さらに掘り下げて考えていきたいと思います。