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新型コロナウイルスに係るイベント中止について思うこと

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こんにちは、Mです。
新型コロナウイルスの影響がTVやニュースの中だけでなく、仕事や生活にまで現れてきました。
そんな動きの一つに「イベントの中止」があります。

 

先日、厚生労働省から『イベント開催に関する御協力のお願い』の中で「政府として一律の自粛要請を行うものではありません」と発表され、開催の判断は主催者に強く委ねられるようになりました。

 

「開催か中止か」
これは誰の立場になるか、何に重きを置くかで変わります。

 

イベントの主催者・参加者などの関係者ではない、一般の人から見ると「感染機会を減らす」という点から「中止」がベストの選択と言えます。

人命第一はもちろん当然ですが、難しいのはイベント中止によっておこる影響です。

 

たとえば「参加料の返金を行うか?」。東京マラソン2020では、一般ランナー部門は取りやめて、エリートランナー部門のみの開催となりますが、参加料の返金はなしで、来年の参加料免除にもなりません(来年の出走権は有り)。

 

参加者にとっては、イベント参加という商品を受け取れないのだから全額返金されて然るべき、というのも一つの筋ですが、中止決定時点までの準備で既にコストが発生していることもあり、主催者側として「はい返金します」と簡単には言えないのが悩ましい点です。

 

イベントのコストの中で会場費は特に大きい要素ですが、開催日が近づくほどにキャンセル料が高くなり、仮に2月開催のイベントをいま中止にすると、ほぼ全額を支払うことも少なくありません。

なお会場ごとに判断は変わりますが、今回の新型コロナウイルスのように社会的影響が非常に大きいことが原因でも、キャンセル料の減額といった相談に応じてくれるかは難しいところです。

他にも、イベントにつかう映像・音響関係、ディスプレイ・装飾関係、飲食・宴会、印刷・制作物、HP・システム関係、そして当日・事前準備の人件費、などなど多くの関係者がおり、いずれも費用負担・補償についてよく考えなければいけません。

 

イベント延期や代替品・サービスの提供の問題もあります。
たとえば開催を延期する場合は、会場をはじめ関係者のスケジュールの確保と、費用負担をあらためて行う必要があります。(ちなみに中止でなく延期ならキャンセル料はかからない所もあります。)

また代替品ということで、参加者に物品を渡すような場合には、何を渡すか、どうやって渡すか、送付手段やオペレーションなどもしっかりと検討しなければいけません。

 

本来イベント開催によって得られるはずだったものも無くなります。そもそもの開催目的のほかに、物販・飲食販売利益、スポンサーにとっての広告宣伝効果、等々。これらも関係者にとっては大きな問題です。

 

「人の命には代えられない」ということはもっともです。
ただ、中止という選択による様々な影響を考えると、慎重にならざるを得ないことも確かです。
何を大事に考えるかは、その人の立場や価値観によりけり。
せめて一方的な決定にならないよう、広く情報を集め、冷静に判断したいところです。


なお、今回の件にはプラスの面もあると思っています。

たとえば、名古屋ウィメンズマラソン2020では、専用スマホアプリを使用して各自が実際の距離を走る「オンラインマラソン」という試みが行われます。

講演やコンサートイベントでは、インターネットでの放映に加え、演者と参加者のコミュニケーションや、参加者同士の交流を促せるような工夫にも試行錯誤がされています。

 

「実際に人が集まれない」という条件の中で、どんな形のイベントができるのか。

イベントの代替手段に留まらない、“新しいコミュニケーション方法”を生み出す機会としても、いま起こっていることに目を凝らしてチェックしていきたいと思います。