Excel力のレベル感~2つの軸~
こんにちは、Mです。
皆さん、Excelの「バワークエリ」という機能をご存知でしょうか。
私は最近知る機会があり習得したのですが、複数のファイルやWeb等からデータを自動で収集・集計できる優れた機能で、「Excelこんなことまでできるのか!」と長年使っていながらも改めて驚かされました。
そんな仕事の強い味方であるExcel。たくさんの機能があるため、ひとくちに「Excelを使えます」と言っても、実際どの程度のことができるかは人によってまちまちということがあります。
そこで、どの機能までを使えたらどのレベルの「Excel使い」といえるのかを、私の独断と偏見で整理してみました。
Excel力のレベルは、2つの軸によって設定をしています。
ひとつはExcelの本分である表計算の軸で、データの整理・集計・分析等に関する「データベースレベル」。
もうひとつはExcel資料を人に見てもらう時に、いかに印象的で分かりやすいように加工できるかに関わる「ビジュアルレベル」です。
データの集計や分析が得意な人が作る資料が、複雑怪奇で他人がみるとさっぱり頭に入ってこないような、“データベースレベルは高いがビジュアルレベルが低い”残念なケースも少なからず見かけますので、このような2つの軸で考えると整理がしやすくなります。
それではデータベース(D)レベルの方から見ていきましょう。
【Dレベル1】Excel初心者
●「四則演算」ができる
表計算ソフトとしての最低限、「足す・引く・掛ける・割る」の算数ができるレベルです。基本中の基本かもしれませんが、私も新卒で初めてExcelに触れた頃は四則演算すら知らず、電卓で計算した結果を入力しながら見積書などを作っていましたw
【Dレベル2】Excel使える人
●「基本的な関数」が使える
様々な計算を一瞬で行ってくれる「関数」はExcelの代表的な機能です。
なかでも基本的なもの、合計を出す「SUM」、平均の「AVERAGE」、文字列を結合する「&」、数を数える「COUNT」くらいができれば、「Excelを使えます」と名乗っても支障ないレベルでしょう。
【Dレベル3】Excel得意な人
●「VLOOKUP」が使える
関数「VLOOKUP」は、複数のリストを合体できる機能で、たとえば『顧客名簿』と『売上記録』の2つのリストを合体させて、『顧客別売上集計』といった分析が簡単に行えます。
このVLOOKUPを使うには、下準備としてリストをデータベースの形に整えたり、キー(合体する時の2つのリストの共通項目のこと。先程の例でいうと「顧客名」。)を決めたり、といったデータベース的な考え方が必要になってきます。
そのため「VLOOKUP」ができる人はデータベースの理解もそれなりにあるので「Excel得意な人」と言っても過言ではないでしょう。
【Dレベル4】Excel職人
●「ピボットテーブル」が使える
あるリストからデータを読み込み、たとえば「顧客別」「月別」「部署別」など様々な角度の表へと組み替えてくれるメチャクチャ頼もしい機能が「ピボットテーブル」です。
活用するためには「この切り口で集計したこういう表が見たい」といった明確なイメージを持つ必要があり、頭の中のデータベースをExcelで具現化するような思考を伴っています。
ここまで来るともう「Excel職人」として、職場でも一目置かれてるかもしれません。
【Dレベル5】Excel名人
●「パワークエリ」が使える
「パワークエリ」は、VLOOKUPのようなリストデータの合体と、ピボットテーブルのような分析を、Excelだけでなくwebページなど色々な場所から複数のデータを集めて行えます。
さらに、参照しているデータが更新された際に、ボタンひとつで分析データの方も更新できる便利さも兼ね備えています。
さすがにこれだけの機能なので、理解するまででも頭がこんがらがり、身に付けるにはけっこうな練習が要りますが、ここまで表計算ソフトとしての力を使いこなせたら「Excel名人」と評されるレベルだといえます。
【DレベルMAX】Excel神
●「マクロ・VBA」「分析ツール」が使える
「マクロ」はExcel操作の記録&自動化、「VBA」はExcelを使ったプログラミング、「分析ツール」はデータの統計的な処理・分析ができます。
彼らはExcel「神」です。
レベル5との間には大きな大きな壁があり、地球人にとってのサイヤ人、金色のファルコが敗れた修羅の国のような、別次元の戦いが繰り広げられています。
ここまでできる人はふつうの事業部門ではなく、情報システム部門や分析の専門家ではないかと思います。
続いてはビジュアル(V)のレベル。
【Vレベル1】Excel初心者
◎印刷レイアウト調整、罫線(実線のみ)
本当に最低限の最低限、表に線を引いて、一枚の紙に収まるようプリントアウトできるレベル。ですが、これすらできない人がまだけっこうおられます。(特に偉いめの人…)
【Vレベル2】Excelが使える人
◎書式設定
「書式設定」機能で以下のような、データの内容に合わせた表現のアレンジができると「使える」レベルになります。
■表示形式…数字の単位や、日付、時刻など
■配置…文字の右(左、中央)揃え、改行など
■フォント…明朝体、ゴシック体、太文字、下線など
■文字色・塗りつぶし…文字や背景の色を変える
【Vレベル3】Excel得意な人
◎一歩進んだ表現ツール
以下のような機能を使えると資料のメリハリがついて、伝えたい内容を際立って効果的に見せられるようになります。
■フィルタ…リストの中でも見せたい部分だけ表示させる
■ウィンドウ枠の固定…見出し部分などを常に表示させる
■グループ化…一部を簡単に見せ/隠しできる
■条件付き書式…特定のデータに自動で色づけなどできる
■データの入力規則…入力内容がばらつかないよう制限できる
【Vレベル4】Excel職人
◎グラフ(ピボットグラフ)
データをまさにビジュアル的にみせる「グラフ」機能は、使いこなせると格段に見せる力が上がります。
単に作るだけなら難しくありませんが、見せたい情報を見せたい形に加工するとなると、細かな設定・調整が必要なため、何度もやる中でだんだんと綺麗に作る力を身につけていくものです。
Excelのマス目やオートシェイプを使ってイラストを書いてしまおうという、魔改造のような代物です。↓
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一般ビジネスマンはおろかIT部門の専門家でもここまではできません。
ていうか仕事では全く使いません。Vレベルの1~4とも全く関係しません。
ですがこの超絶技巧が常人の到底およばない「神」の領域であることは間違いないでしょう。
以上、データベース、ビジュアル、という2つの軸からExcelの使いこなしレベルを測ってみました。
はじめは取っ付きにくそうでありながら、知れば知るほどその有能さに惚れ惚れするニクい奴こと「Excel」。
神の国ははるか彼方ですが、職人くらいなら意外と早くなれるものですので、もし食わず嫌いされてる方がいたら、一度どっぷり沼にハマってみることをおススメします。