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ドキュメント72hours

百貨店出身の中小企業診断士madmaxです。

昨今の私はNHKオンデマンド大活用マンになってまいりましたw

皆さま、NHKの「ドキュメント72hours」はご存じでしょうか。

「ドキュメント72hourrs」は、NHKで2013年4月5日からNHK総合テレビジョンで放送されているドキュメンタリー番組です。

東京では毎週金曜日の22時45分~23時15分という変則な時間に30分だけ放映されるレアな番組ですw。

この番組は、不特定な場所に72時間(3日間)カメラとクルーを常駐させ、その場所に集まってくる人たちを取材するドキュメンタリー&人間ドラマです。

例えば、3月11日の東日本大震災の6年後には、福島のとある定食屋さんにカメラとクルーを設置。

その定食屋さんは福島の美味しいお米を割安でふっくら炊き上げるのでごはんがおいしく、おかずがリーズナブルなので地元の様々な方に愛されているお店です。

来店客は大阪から来た土木作業員の方、配送業者の方、行商人の方、証券会社の営業マンなど、本当に普通の一般の方たちです。

そこにカメラとクルーは切り込みます。

大阪から来た土木作業員の方は震災で崩れた護岸の工事に来ている方です。この方は2回取材されます。1回目では「この店は家が近くておいしいから、道路が渋滞する前にさっときて食べるのが最高なんですよ」と普通の会話で流れたのですが、2回目は心に踏み込んだ結果「震災で壊れた建築物を直すという仕事は誰かが亡くなったから得られる仕事。だからはじめは後ろめたかった。でも、仕事に従事するうち、地元の人たちから「ありがとう」「助かる」って言われ続け、「ああ、生きている人たちの役に立つ仕事なんだなぁって最近は気持ちを切り替えることができた。」などという見る者の心を暖かくするようなコメントを引き出しました。

また、何気なく声を掛けた72歳の男性。職業は宅配便の委託業者。クルーは聞きます。「年金じゃ足りないのですか?」、男性は「まあね、年金じゃギリギリだね。」と世相をえぐるようなやり取りです。

さらにクルーは別の高齢女性に声を掛けます。「何かお仕事をされているのですか?」、女性は福島弁丸出しで答えます。「うん、海産物の行商をやっている。東日本大震災前は新鮮な海産物を行商して売り歩いたもんさ。でも、最近は放射能を嫌う人が多く、福島の近海ものを買ってくれる人はだいぶ減って商売も厳しい。でも、ほそぼそ続けていくのさ。それにしても、ここの魚はまずいなw」。

「NHKさん、こんな日にこんなところで取材していていいの?海の方じゃない普通」と取材している相手から言われた後、3月11日14時46分18.1秒を迎えます。

店内に響き渡る黙とうのアナウンス。閑散とした店内では普通の時間が過ぎていきます。

まだ、全部は視聴できていませんが、めちゃ涙したのは、とあるショッピングモールの72時間を取材した回。何気なく取材しためっちゃ笑顔がやさしい67歳男性への取材シーン。

男性「健康に気を付けるためにフィットネスに行っているんだ。」

クルー「すごいですね。なんでそんなに健康に気を遣っているんですか?」

男性「長生きしないといけないからね。」

クルー「いけない?」

男性「うん、32歳の重い障害を持った娘がいて、赤ちゃん同然。この子を自分が看取らないと死ぬことはできないからね。」

と急に重たい話に。その間も男性は柔和な笑顔を続けます。

奥さんも他界し、今は男性が1人で面倒を見ているとのこと。自身も大腸がんを患った。フードコートができて以来、娘さんの体調がよい時にはそのショッピングモールに来るそう。

同じショッピングモールの取材では、娘3人を育てるシングルマザー。自動車部品工場に勤めている。

日常の中では忙しすぎて、憩いの場がないから、毎週金曜日はこのショッピングモールに来て、家族みんなで楽しむ。フードコートの横にキッズコーナーがあり、遊べる。

気づいたら閉店時間。そうやって子供たちを楽しませ、自分も癒され家に帰るという日常。

こんな風に、日本のあちこちで繰り広げられる一人一人の日常を取材する「NHKドキュメント72hourrs」。

取材した方たちの人生の悲喜こもごもを表情とともに引き出すところが秀逸です。

かなり高度なドキュメンタリー番組と言われているだけあり、本当に見ごたえがあります。

ぜひ、みなさんも機会があったら視聴してみて下さい。