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住宅購入のお話(物件価格の後ろ側の巻)

こんにちは、Mです。

不動産購入シリーズ、前回・前々回とエリアの絞り方をお話しましたが、今回は物件情報の見方について。

 

物件の情報は「住宅情報サイト」で探すことが一般的です。

サイト選びや条件の考え方は、以前の記事や各種書籍などを参考にしてもらうとして、今回はちょっと豆知識的な価格のお話となります。

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住宅の物件情報を見ていると、相場よりやけに安い価格を目にすることがあります。

一瞬「もしや掘り出し物!」と思っても、残念ながらそこには必ず“安い理由”があります。間違えて買うと後悔する、そんな地雷が埋まっているかもしれません。

 

不動産屋さんは必ずしも“安い理由”を説明してはくれませんので、自ら気付けるよう、よくあるケースをまとめました。

1.借地権物件

「借地権」とは住宅の土地を借りる権利のことです。

地主さんに賃料を払って借りて住む形で、家を買っても土地が自分のものにならないため、敬遠されやすい物件です。

仮に土地付き5000万円する家の場合、もし所有権でなく借地権だと3000万~4000万円くらいに安くなります。

借地権物件は、戸建住宅の場合が多いですがマンションでもたまにあり、なかでも「定期借地権」という借地権でさらに期限がある物件は格安ですが、期限が来たら更地にして返すという厳しい条件も付いてきます。

 

2.オーナーチェンジ物件

他人が借りて住んでいる部屋を買い取る、いわゆる「投資用物件」というやつです。

住んでいる人がいるため、買っても自分が住むことはできません(住人を追い出すのもNGです!)。なので価格も1~2割安くなります。

他にも、投資用マンションは居住用より手狭で設備が安くなりがちな点や、ローンの金利が高くなる点も、買いづらいハードルとなっています。

 

3.再建築不可物件

一戸建ての中古住宅で、5000万円が相場のところ、1000万円代の異常ともいえる安値で売られているのを目にしたことがあります。

土地だけの金額としても破格なため「壊して新築建ててもまだ安い!」とつい考えちゃいます。

 

が、この「再建築不可物件」は、その名の通り新たに家を建てるのが法律で制限されています(主には建築基準法の「接道義務」を満たしていない土地です)。

"隣接する土地とまとめる"など建築を可能にする手段も無くはないですが、個人売買では少々現実的でなく、「ボロ家が潰れるまで我慢して住む」しか選択肢がないため、価値が著しく下がるのです。

 

4.築古リノベーション物件

建ててから数十年経過したマンション等の部屋を、内装だけごっそり新しく作り替えたものが「築古リノベーション物件」です。

見た目がキレイな割に値段がまあまあ安いので、お得な物件かもと思えるのですが、建物自体は年代物のため、買ったとしても実際あと何年住めるかは微妙なものです。

 

さらに、もし1981年5月以前に建築確認を受けた「旧耐震基準」のマンションの場合、耐震補強や大規模修繕の工事などで思わぬ大きな出費が発生するかもしれません。

割安かどうかは、単純に立地や広さだけでなく、築年数も含めた近い条件の「リノベーションしていない物件」との比較で考えましょう。

5.最寄り駅から遠い物件

一般的にマンションですと、最寄り駅から徒歩10分を越えると価格が大きく下がります。

中にはちゃっかり「最寄り駅10分(路線バス)」と表示されているようなものもあり、確かに値段は安くなりますが、日常生活や通勤のことを考えて、よく検討した方がいいでしょう。

 

6.立地がきびしい物件

最寄り駅からの距離が同じでも、家までの道のりや、周辺環境によっても値段は上下します。

たとえば・・・

■坂の上の家:高台…どころではない急坂の上に建っていて、自転車やベビーカーではとても行き来できない家(景色だけは良いことが多い)。

不毛地帯の家:近所にコンビニやスーパーなどお店がなく閑散としたエリアに立つ家。

■眺望が残念すぎる家:すぐ目の前に他のマンション等の建物があり、眺望が著しく遮られる家(通称「お見合いマンション」)。都会駅前のマンション集中エリアでありがちで、向こうのマンションからも自宅のベランダが丸見えになる。

7.管理費・修繕積立金が高い物件

いずれもマンション購入・入居後に毎月かかるお金のことで、「管理費」は共用部分の掃除や整備、ゴミ処理等の費用、「修繕積立金」数年ごとにある大掛かりな建物の修理(外壁や配管、エレベーター等)に使うために積み立てるお金です。

一般的には合計2~4万円くらいが相場ですが、5万円以上かかるマンションでは割高な印象となるため、物件の販売価格を相場より下げて売り出すことがあるようです。

高い管理費・修繕積立金の理由が、過度に高価な共用設備や、修繕費の積立状況の問題という可能性もありますので、避けた方がベターな物件と言えます。

 

まだまだ他にも「方角」「日当たり」「階数」などさまざま地雷はありますが、今回はパッと見見落としそうなことや、知っていないと気付きづらいことを特にピックアップしてみました。


ちなみに、物件価格の相場や過去の売出価格を調べたい場合は、「マンションレビュー」というサイトが便利です。

www.mansion-review.jp

希望するマンションでの過去の値段と比べて、明らかに安く売り出されている物件があった場合、疑ってかかった方がいいでしょう。

 

不動産の世界では、もし偶然安く売りに出た物件があったとしても、即効で不動産屋さん自身が買い取り、相場価格に合わせ利益を載せて再度売りに出されます。一般の人が見られるのはその後です。

 

ですので、家を探す時は在りもしない「割安」「掘り出し物」を見つけようとするのではなく、諸々の条件を確認したうえで適正・自分が納得できる価格かどうか、という見方でいるのが正しい姿勢かと思います。